2016年9月25日日曜日

ミスバンパイア



PSP版のローザが、女吸血鬼モンスター・ミスバンパイアに吸血+オーガに腹パンされる話です。

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暗闇と静寂のみが支配する洞窟に、乾いた足音が響き渡る。
所々にある、犠牲者の人骨と木材で作られた燭台のみが皮肉にも
洞窟を進む人間の少女の行く手を照らしていた。

ローザ・ファレルの無謀な冒険は今朝より始まった。
宿屋のベッドで目覚めた時、彼女の隣で寝て居たはずの恋人は影形もなく消えて居た。
慌てた彼女が部屋を見回すと、壁に禍々しい意匠の血文字がこびりついて居た。
その文字曰く、

「セシル・ハーヴィの聖なる肉体を我らが邪神に捧ぐ
   救いたくば町外れの洞窟に至れ」

その文字を見たローザはすぐさま寝間着を脱ぎ捨て、戦闘服の紫のレオタード、肩当て付きの白いマント、白いブーツを身につけ、赤いヘアバンドで美しい金髪を留めた。
そして木製の弓矢を持ち、宿主が用意した朝食も口に入れずすぐに街を出た。
道中襲い来る魔物を弓矢で撃ち抜き、魔物の爪による傷は聖なる力で癒し、
僅かな携行食で空腹を満たし、女性の嗜みとして全身に滴る汗を拭い―
何とか洞窟まで辿り着いた。

洞窟の中は、まるで魔物ですらその闇に飲み込まれたかのように何者の気配も無かった。
常人であれば直ぐにでも気が狂いそうになる暗闇の中で、それでもローザは凛とした表情を崩さぬまま進んでいった。
絶対に恋人のセシルを救い出すーその決意を胸に秘めて。

だが、ローザの凛々しき姿は
次の瞬間より、闇へ呑まれることとなった。

「くああぁっ!?」

突然、上半身に締め付けられるような圧迫感を覚えたローザが叫ぶ。
突如訪れた痛みに剥き出しの脚は内股に閉じられ、息苦しさから全身に脂汗が浮かぶ。

「ぐあぁ………あっ………!?」

気づけば、それまで当たり前のように感じて居た地面の感触が無くなっている。
どうやら、何者かにより凄まじい力で持ち上げられているようだ。
そして、暗闇の奥にいた何者かが姿を表した。

「つ・か・ま・え・た」
「!?」

正体は洞窟に棲まう魔物、ミスバンパイアだった。
上半身こそ髪の長い妖艶な美女だが、下半身は胴の長いコウモリそのもので
洞窟の天井にぶら下がったまま、暗闇の隙間からローザを強い力で抱き上げたようだった。

「あぁ……部下に命じさせて聖なる力を持つ人間を探させていたけれど…
 やはり男より女のほうが良いわ。万一に備えて、頭の悪いあの豚に血文字の呪文を教えといてよかったわ」
「せ、セシルをどうしたの……!?」

掠れた声でローザが叫ぶと、ミスバンパイアは続けた。

「セシル? あの男なら興味ないからあなたを釣るダシに使わせてもらったわ。
 豚共も興味無さそうだったから奥に閉じ込めてあるけど―ま、さすがの聖騎士様も寝込みをオーガに襲われては敵わなかったみたいね」
「!!」

オーガとは、知能は低いが強力な筋力を持つ魔物のことである。
武具も持たぬまま、一方的に嬲られたであろうセシルを想像してローザは凍りつく。

「セシルッ……くっ……離し、なさい……!!」

ローザはジタバタともがくが、ミスバンパイアの腕は一向に緩みそうにない。

「くっ……弓矢と、白魔法さえあれば……!!」

当然、このままの態勢では弓矢は撃てず白魔法を使うための精神統一も出来ない。
ローザは今、蜘蛛の巣に引っかかった獲物と同じ状態であった。

「そうね、まともに戦ったら聖なる力を持つあなたには束でも敵わないわ。
 …さあて、おしゃべりはここまで……始めましょう……ウフフ」

次の瞬間―

「んむぅ!?」

ミスバンパイアは、自らの唇でローザに口吻する。
そして、開いた唇の隙間より舌を忍び込ませた。

「んんっ!! んんんんっ!!!」

恋人以外の舌の感触と、不死生物特有の刺激臭に嫌悪感を覚えてローザは必死で抵抗する。
だが抵抗むなしく、ローザはミスバンパイアの舌技に絡め取られていく。

そして―

「んぐぅ!?」

突然、ローザは胸元に強烈な痛みを覚えるとともに、身体を仰け反らせた。
そして、とてつもない脱力感を覚えた。

(んふふ……やはり聖者の魔力は美味しいわぁ……)

気づけばローザとミスバンパイアは、怪しげな紫の光に包まれていた。
ローザは身体の力が抜け、腕が垂れ下がり、手から弓矢が離れていくのを感じていた。
これぞ、バンパイアと呼ばれる夜の一族が得意とする―『力の吸収』であった。

(ふふふ、第一陣はこんなところね……そして、これからがお楽しみ……!!)

恍惚とした表情を浮かべるミスバンパイアとは対象的に、ローザの顔からは段々と生気が失われていく。

「んん……ふぐぅっ!!! んむぅ………ん゛ん゛ん゛ッ!!!!」

だが、ローザには安らぎの時は訪れない。
意識が落ちそうになる度、胸に激しい痛みが走り舌の感触が蘇る。

「んん、んぅん………んむぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!!!!!!!」

搾り取れる魔力も少なくなり、漸く意識が舌技から開放されるかと感じたその時、
とてつもない快感がローザを襲った。
ミスバンパイアが、レオタードに包まれたローザの股間を愛撫していたのだ。
力の抜けた彼女は最早片腕で抱きかかえられ、開いたもう片方の手が水音を鳴らす。

「ん゛っ………んぅ…………………………………………」

全身に走った快感に呼応するように、紫のレオタードの隙間から愛液が溢れ出た。
全身が痙攣し小刻みに震え、それが余計に愛液を飛び散りさせる。

やがてローザは、自分に下位の回復魔法を唱えるほどの魔力も残っていないことに気付き、絶望から涙が溢れ出た。

「ふふふ……可愛い顔しちゃって……やっぱり女の子との営みは最高だわ……
 さてと、最後の仕上げにかからなきゃ……」

そう言うとミスバンパイアは口を大きく開けた。その口から二本の牙が覗いた。
そして、それを無防備なローザの首元に突き立てる。

「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!!!」

突き刺された痛みと、吸血による独特の快感がローザの体を駆け巡り
彼女は弓のように体を大きく反らせ、絶叫した。

「おい、ひいわぁ」
「あ゛………う゛ぇっ……」

やがて、完全に力を失ったローザは後ろに首をもたげる。
舌がだらし無くこぼれ、涎がミスバンパイアの首筋に滴り落ちるが
気に留めるでもなく彼女はローザの血の味を楽しんだ。

だが、悲劇の終わりは突如として訪れた。

「ローザ!! ローザッ!!!」

突然響き渡ったのは、凛々しい青年の声。

(セ……シ……ル……?)

薄れ行く意識の中より、ローザを引っ張り出すのは聞き慣れた恋人の声だった。

「チッ、あの豚共……帰ったらお仕置きだよ!!!」

牢から抜け出したと思われるセシルを確認すると、ミスバンパイアの表情が恍惚から怒りへと変わった。
恨みがましく彼を見つめた後、ローザを開放し呪文でどこかへと消えていった。

「ごほっ……」

叩きつけられた衝撃に咳き込むローザだったが、それ以上の反応をする余力すら彼女には残っていなかった。
だがローザに近寄る足音だけは、そのような状態であってもしっかり聞こえている。
今の彼女にとって、それが唯一の希望だからだ。

(セシル……!!)

やがて、霞んだローザの視界に何かの影が入り込む。
それがセシルだと確信する彼女は、僅かに顔を緩ませ目の焦点を合わせた。

だが、そこに映っていたのは。

(!?)

憤怒の色に染まった、巨人族の魔物の醜い顔だった。

「くそ、化物め!! ローザから離れろッ!!」

どうやら、セシルより先に魔物―ミスバンパイアの部下・オーガが接近していたようだ。

ローザの顔は再び絶望に染まった。それも、先程より深いものに。

「うぁっ……」

突然、頭に激痛が走る。
オーガがローザの髪を掴み、そのまま体ごと持ち上げていた。

「やめろッ………ぐはぁ!」

セシルがオーガに駆け寄るが、武器を取り上げられた彼はオーガの片腕にあっさりと弾かれた。
そして、無力なのはローザも同じだった。

そして、ローザはオーガの表情が憤怒の色に染まっている理由を思い出した。
行き掛け、巨人族の魔物をローザは弓矢で仕留めていた。

「や……やめぇ……」

ローザの目から涙と鼻水が溢れ出す。
黄色い液体がレオタードから溢れ、太腿を伝う。
だが、仲間を殺された恨みが彼女の懇願で静まるはずもなく―。

「うごォオ゛ッ!!!」

オーガの拳が、ローザの柔らかい腹部にめり込んだ。

「ローザッ!!!」
「お゛っ………お゛え゛エ゛え゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」

ローザの口から、朝食した中身が吐瀉物となって飛び出し
下腹部の衝撃により、漏らした尿も噴水のように湧き出す。
最早彼女の姿バロン一の美女などでは無く、無様に嘔吐と失禁を繰り返すならず者の酔っぱらい同然であった。

「ローザッ!!! しっかりしろ!!!ローーーザーーーーッ!!!!」
「お゛え゛ッ…………エ゛ッ………」

最愛の人の呼びかけに応えることも叶わず―それどころか、最悪の醜態を晒しながら
ローザは白目を剥き、完全に意識を失った。

彼女が最後に感じたものは
地面に落とされた時に感じた、気持ち悪い吐瀉物の感触だった。

セシルとオーガが睨み合う中、ローザは吐瀉物の海の中で激しく痙攣する。
背中を隠すマントもずれ、小刻みに弾む尻肉が顕になるのにそう時間はかからなかった。
セシルのオーガの死闘は、どちらが勝つにしても長期に及ぶだろう。
その間ずっと、汚物と化したローザはその姿を晒し続けることになるのだ。

―終―

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あとがき

お読み頂きありがとうございました。短いですが吸血のエロスとローザの無様さが最大限になるようにしました。
ミスバンパイアが出るのは封印の洞窟、オーガが出るのは磁力の洞窟なので若干チグハグですが名前の響きを優先してこのような形としました。
(磁力の洞窟に出るのは「ドラキュレディ」…ドラキュラはただの個人名なのでこれじゃ「ドラキュラの女」になりますなw)

ローザさんは聖なる力(白魔法)を使うエロコスキャラなので個人的にリョナり甲斐が3倍になりますな!白いブーツもよし!!!
本当はSFC版の衣装が一番好きなのですが、なんとなくPSPコス前提で書きました。

暫く書いてないのでリハビリがてらになり申し訳ありませんが、楽しんでいただけたらば幸いです。